プログレおやじが驚いたアルバム
バーチャル音楽喫茶『松和』で「懐かしの70年代館」を運営して、約7年になる。仕事の合間を見ての更新なので、なかなか頻繁には更新できない。特に、アルバムのレビューを書くのに骨が折れる。僕のアルバム・レビューは、実際に自分でアルバムを持っていて、しかも、しっかりと聴きこんで、自分の言葉で書く、ということを心がけているので、これが結構、時間がかかる。嘘は書けないからね。
しかも、文章を書くというのは、その時その時の精神的な「ノリ」が必要で、「ノリ」が無いときは、やっぱり良い文章は書けない。読み返したら、なんだか変なんだよね。そういう時は、せっかく書いたんだけど、思い切って「ボツ」にすることにしている。自分で後で読み返した時に自己嫌悪に陥るからね。
今日は涼しいので、ちょっと昼寝をしてから、へきちゃんから貰ったkeane(キーン)の「Under The Iron Sea(アンダー・ザ・アイロン・シー -深海-)」のレビューを一気に書くことにした。このアルバム、この7月にプレゼントされたのだが、このアルバム、キーンの最新作で、当然、音楽のジャンルは「オルタナティブ」になるのだが、聴いてビックリ、70年代のプログレのテイストが満載。
改めて、キーンのご紹介をしておくと、キーンとは、ありそうで、なかなか見当たらない、ボーカル(トム・チャップリン)、キーボード(ティム・ライス-オクスリー)、ドラムス(リチャード・ヒューズ)の「ギターレス・ベースレス」のバンド。このキーンってバンドは、英国のバンドだから、当然、英国ロックの伝統的な音の特徴である「音は太い、湿っている、濡れている、曇っている」をひきずっていて、トリオの演奏とは思えない「分厚い音作り」、十分にかかったエコーは「湿り」、なぜか英国ロックの特徴である「濡れ濡れのコーラス」、そして、音の向こうに見える風景は「曇っている」。
ファースト・アルバムでは、キーボードはピアノが中心で、音的には、すっきりとシンプルな響きが印象的で、一聴すると「フォーク・ロック」的な、健康的な響きが、特徴だった。しかし、このセカンド・アルバム「アンダー・ザ・アイロン・シー -深海-」では、シンセサイザーなど、様々なキーボードを使用して、音的な色彩が飛躍的に豊かになっているのが特徴。
このセカンド・アルバムは、しっかりとした「アルバム・コンセプト」を持っていて、ちょっと「暗くて」、 シンセサイザーなど、様々なキーボードを使用した「豊かな音」、加えて「メッセージ性の強い歌詞」と「ドラマチックな展開」。これだけの条件がそろえば、これは、オルタナティブという漠然とした括りよりも、70年代ロックを風靡した、プログレッシブ・ロックといっても差し支えが無い。70年代プログレ・ファンだった人(プログレおやじ)であれば、違和感なく入れる、英国オルタナティブの秀作です。また、このアルバムが気に入った方は、70年代のプログレッシブ・ロックを聴くことをお勧めしますね。
このキーンの『UNDER THE IRON SEA』を聴いて、70年代プログレとかなりの共通点があって、70年代プログレ小僧だった(今は「プログレおやじ」ですけど)僕としては、かなりビックリした。
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