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2006年6月20日 (火曜日)

時のないホテル〜5cmの向こう岸

今日も帰宅時、ひと駅前で降りて歩く。今日は、ちょっと蒸し暑いが、風が吹いていて歩いていて気持ちが良い。この1ヶ月で、3kgほど痩せたので、もう楽しくて仕方がない。しかも、歩く時間が約30分ほどあるので、帰宅時、電車の中と併せて、iPodでCDを2枚聴けるのが、これまた良い。

昨日から、ウォーキング・アルバムは、松任谷由実がトレンドになりつつある。今日は「時のないホテル」。このアルバム、1980年のリリースで、ユーミンのテンションが低い時に作られたアルバムなので、ファンの間では、おしなべて、「暗い」とか「ゆるい」とか言われて評判は芳しくないが、リアルタイムでユーミンを聴いてきた僕にとっては、このアルバムは結構、お気に入りのアルバムなのだ。

Tokinonai_hotel収録されている曲が良い。「セシルの週末」「5cmの向こう岸」「水の影」「ためらい」「よそゆき顔で」と隠れた名曲揃い。この頃のユーミンは歌詞が良い。私小説というか、若き日の日常というか、誰にでも思い当たる、誰にでも実体験がある、とにかく共感できる歌詞が並んでいる。このアルバムを聴くと、否が応でも、高校〜大学時代を思い出す。そして、あの頃を思い出して、甘酸っぱい雰囲気にドップリと浸れるのだ。


僕の一番印象的な曲は「5cmの向こう岸」。実は僕は背が低い。この歌を初めて聴いたときは、身につまされた。


5cmの向う岸   作詞 : 松任谷由実 作曲 : 松任谷由実

最初からわかってたのは パンプスは履けないってこと
歩きつつ彼と話すと 知らぬまに猫背になるの

七夕のパレードを見に 腕をくみ人ごみ泳げば
でくわしたクラスメイトが 次の朝みんなで笑う

彼は誰なの どこで見つけたの でもかわいいね
あなたより背が低い 並んだら 5cm も

それ以来 急に気になり 心もち離れて歩いた
人前で冷たくしたり わけもなく傷つけだした

僕もまえから おかしかったのさ やっぱり二人合わないよ
背がちがう 並んだら 5cmも

さよならは混んでたディスコ はじめてで最後のチークタイム
あのひとのおでこの上で いつまでも鼻をすすった

あの日のダンス本物だったね 今は似合いのTinyな女の子
つれてるときいたけど あんなダンスは二度とできないね
子供だったの 5cmの向う岸 二人とも渡れずに

若いころには人目が大事よ もっと大事なやさしさを失くしても
気づかないこともある ラララ………


この曲で登場する彼と彼女。何度、ハッピーエンドで終わって欲しいと思ったことか(歌詞の世界では、別れてしまうんだけどね・・・)。男の方が背が低くて何が問題なのか。若い頃は、この曲を聴く度に憤慨したもんだ。5cm彼女の方が背が高くて、何が問題なんだ。いや〜、実は、僕のカミさんは、僕より、7cmも背が高いのですよ。5cmなんて問題じゃない。

でも、この曲って、ハイティーンから二十歳あたりまでの、女の子の心の揺らぎを、実に見事に表現している。まあ、当たり前といえば当たり前な女の子の反応なんだけど、背の低い男の方からすると残酷だよな〜。大学時代、この曲を聴いて「え〜っ、それはないやろ」と思ったことを思い出しました。「若いころには人目が大事よ。もっと大事なやさしさを失くしても気づかないこともある」のくだりは、若さ故とはいえ、これは避けて欲しいなあ。やさしさよりも見た目かあ。でも、そうじゃないよな、と今は思う。

といったように「実にリアルな歌詞と、それにあった曲、優れたアレンジ」の揃いも揃った3拍子で、このアルバムは、私小説というか、若き日の日常というか、誰にでも思い当たる、誰にでも実体験がある、とにかく共感できる世界が広がっていて素敵だ。

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コメント

〽︎彼は誰なの…🎵
アルバム時のないホテル、大好きです。歌詞と曲が頭の中で映像化しますよね。何度聴いても飽きないアルバムですよね。次に好きなアルバムは紅雀です。
アルバムに関係なく全作品の中で一番好きな曲はGET AWAYなんですけど…、。

ユーミンバンザイに収録されましたね。あまり有名でないこの曲、でも私も一番好きな曲です。
私の妻も6センチ背が高い。1センチ負けましたが(笑)でもそんな私と結婚した妻は内面を見てくれたのだと思い返しました。
この曲を聴くたびに妻にやさしくしようと思う。

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